2015年5月17日日曜日

上野東京ライン初乗り

 14日、浦和駅前にて所用。次の目的地、四ッ谷に行くには時間があったので、はじめて上野東京ラインに乗る。先頭車両、11時も過ぎて空いていると思ったが、 けっこうな人で、座れないし、運転席にもかぶりつけない。上野駅で乗客の半数近くが降りる。ターミナル、乗換駅としての上野駅がどうなるのか興味のあると ころであるが、地下鉄銀座線や日比谷線もあるし、商業の集積もある。それなりの拠点性は維持されていくことであろう。

  上野駅からしばらくは徐行。御徒町付近で、3線のうち1線は従来からある電留線へ、上野東京ラインは2線になる。秋葉原を過ぎてからはけっこうな勾配の上 り坂となり、ビルの高層階を眺めつつ、神田からすぐにまた急な下り坂となり東京駅に至る。東京駅で降りる人よりも、そのまま乗車する人が多い。湘南新宿ラ インも同様で、池袋、新宿、渋谷をスルーして乗り続ける人がけっこういる(だから座れると思っていても座れない!)。どうしても郊外から都心への移動が主 であると考えてしまうが、そうでもないらしい。彼らは、どこからどこへどういう目的で移動しているのだろうか。夕刻、向ヶ丘遊園から新宿行きの小田急に 乗ってもいっぱいの人である。ここでも、単純に郊外から都心への通勤・通学移動だけではなく逆の動きもあることがわかる。郊外は居住の場所のみならず、業 務機能、教育機能など多様な役割をもつ場所になっているのであろう。そこで、郊外から都心へ、そしてまた郊外から郊外へといった従来とは異なる人の流動が 生じているのかもしれない。

 大学で教わったO先生の講義で覚えていることの一つに「ターミナル・コスト」がある。 列車が、ある都心の終着駅に着いた際には、乗務員の入れ替え、機関車の付け替えなど、時間と費用がかかる。都心の終着駅をスルーして、反対側の郊外まで列 車を走らせることで、コストを減らすことができて、効率化につながるという。彼の話を聞いて後、ドイツ、マンハイムの街に行き、その路面電車をみて、なる ほど、と思った次第である。マンハイムの都心に四方の郊外から入る路面電車は、そのまま都心をスルーして、反対側の郊外へと至る。路面電車の場合は特に、 都心を終点にはするのは合理的ではないが。東京においても私鉄と地下鉄の相互乗り入れが始まり、やがて、ある方向からの私鉄と地下鉄と別方向への私鉄の相 互乗り入れが行われるようになってきた。そこでは、乗客にとって都心に直接アクセスできるというが強調されているようだが、運営する側の効率化ということ もあるのだろう。JR東の都心スルー路線、湘南新宿ライン、上野東京ラインも同じ文脈でとらえることができよう。

 と、 そんなことなど考えながら、自分自身は東京駅で降りる。せっかくここまできたので、丸の内のオアゾという奇っ怪な名前のビルにある丸善に立ち寄る。アマゾ ンなどネットで本を買う機会が増えてきたとはいえ、並んでいる本を眺めて品定めをするのもまたよい。思いがけない本に出会ったりもする。Enrico Moretti "The new geography of JOBS"を目にし、購入する。

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