2015年11月1日日曜日

ハロウィーン

 本日はハロウィーン。まだ、渋谷の街も大騒ぎなのでしょうな、、、。ハロウィーンは、元来、現在のヨーロッパの先住民族ともいえるケルト人によって、1年(あるいは夏)の終わり(10月31日)に収穫を祝い、来たるべく冬の悪霊を追い払うという祭である(Wikiほか)。悪霊から身を守るために、仮面を被り、火を焚いたという(Wiki)。これが現在行われるところの仮装、そしてカボチャの提灯(ジャック・オー・ランタン)になったということであろう(カボチャはアメリカ原産で、そもそもケルト人が大陸ヨーロッパに居住していた頃にはなく、当初はビート(カブ)を用いていたらしい)。
  今日、ハロウィーンは、アイルランドをはじめ英語圏で主として行われる行事である。それが英語圏以外の国々に、商業主義に乗っかって広まっているともいえる。英語圏ではないドイツでも、かつてはみれらなかったことだが、スーパーにこの時期、カボチャが並ぶようになっている。実は、ドイツには似たような行事がある。11月11日に行われる「聖マルチンの提灯行列」である。聖マルチン(316-397年)は、フランク王国にてキリスト教の伝道・布教に努め、初めて修道院を建設したという。植物、動物など自然の事物の言葉を理解し、したがって、悪魔を追い払うことができ、家畜の守り神として信仰された。この11月11日は、収穫が終わって冬が始まる時期、借金を清算し、雇用関係も更新する時であった。提灯をもった子供らが家々の前で歌を歌うと、家人が、お菓子やパン、果物などを与えるという。ケルト、そして英語圏のハロウィーンとまさに同じである。
 この「聖マルチンの提灯行列」が行われる11月11日は、ゲルマン民族にとって彼らの神ヴォーダンを祀る収穫祭の日でもあるとのこと。このように、いわば土着の宗教行事がキリスト教の行事に取り込まれていった例は数多い。では、ケルト民族のハロウィーンとゲルマン民族のヴォーダンの祭は、どう関連するのか、しないのか、、、、、?

参考文献
山本 充 2006. 森林からみたヨーロッパ文化. 菊地俊夫・犬井正編著『森を知り 森に学ぶ』二宮書店,25-34.
山本 充 2006. ヨーロッパの森と人々の生活. 菊地俊夫・犬井正編著『森を知り 森に学ぶ』二宮書店,94-100.

ドイツN小学校における聖マルチン祭

学校の中を提灯行列